No 1. ジョークは余裕
今は昔、「グラスポロ会談」と言う歴史的な米ソ首脳会談があったのをご記憶の方はいると思う。当時のジョンソン大統領とコスイギン・ソ連首(当時)首相が、ベトナム戦争などについて協議した会談だった。そこでジョーク。当時普及し始めたコンピューターで先進国の米大統領が、ソ連首相に米国製コンピューターを誇示、「これは未来も予言できるのです。一つ2人で21世紀の世界を占ってみませんか?」と提案、ソ連首相が応じた。
まず米大統領がボタンを押した。当然「米」との答えが出てくるのを期待してた゛。しかし答えは「NO」だった。それを見てにんまりした首相が、次にボタンを押した。出てきた回答用紙を見た首相は渋い顔をして、その紙をくしゃくしゃにした。「見せてくれ」と受け取った大統領は、同じく渋い顔になった。なんとそれは中国語で書かれてあったからだ。今私は、自分の着ている物を総点検して上から下まで(パンツに到るまで)中国製である事にドキとするとともに、ゾッともしている。米国製コンピューターは正しかったのか・・・。
このジョークを聞いたのは旧知の米大使館員から。彼は再び日本に赴任したので、よく私を食事だパーティーだと言って呼び出した。私は独身で、赤坂のテレビ局勤め。会社に招きの電話がかかってくれば「一食浮いた」と言う気分で、赤坂の坂をトコトコ下りて彼の家に行く。ドイツ系の彼がビール党であるのを知っていたので、途中ビールを買っていけばウエルカム!
いってみてびっくりしたのは、日本の一流文化人がパーティーで顔を揃えていた事だった。彼の職責が文化担当だから当然と言えたが、それにしても"アメ大の威力は大したものよと思わされた。そんな席でのジョークだったが、さすが文化人の集まりだけあって、一方的に聞きぱなしでは終わらなかった。
「そのコンピューターは中国製か?」「果たして中国でコンピューターが作れるのか」なんてのはマジな部類として、「どうして中国語で日本語でなかったのか」は一種のブラックジョークとも言えた。ジョークといえば、レーガン大統領のジョークぶりに舌を巻いた事がある。ある年の事、ウォール街が大暴落したことがあった。そこで大統領の緊急記者会見となり、レーガン大統領がテレビに登場した。「私は何の心配もしていない」といってのけた。その堂々たる態度に記者団は何か秘策があると思い、意気込んで質問した。その答えは・・・。「私は一株も持ってないからだ」見事にはぐらかされたのだが、しかし、アメリカ人・・・一本取られた事に脱帽し、記者団総立ちのスタンディング・オベーションとなった。株相場なんて上下してこそ機能する。一喜一憂しても馬鹿らしい。だからレーガンが言うように、ウォール街はその後持ち直し「何の心配もなかった」。
さすがハリウッド出身の元役者らしいジョークぶり・・・。その人が今アルツハイマーで、お得意のジョークを駆使できなくなった事が寂しい。話は変わって田中知事。県議会とガチンコ勝負する意気は買うけど、少しはジョークがないものか。知事も文化人なんだから、ジョークを操る優雅さ(余裕というべきか)を持ってほしい。決して県議諸侯も馬鹿じゃないのだから、当意即妙の答弁を受け入れる懐の深さを持っていると思う。